かえるのクーの助手たち

我々は賢くないので。。。

オーディオレスはもうたえられなくなったので

部屋の復旧が完了しました

こんにちわこんばんわ。実家にお見舞いの電話をしなかったら、人非人扱いされてしまった、かえるのクーの助手の「井戸中 聖」(いとなか せい)でございます。

梟キャラなので、人でないことは問題ありません。

わたくしの家のほうは、本棚が倒れて中身がぶちまけとなり、スチール棚の足がぐにゃりと折れ曲がったのと、ディスプレイの足が折れ、パソコンケースがぼこぼこになった以外は問題ありませんでした。ただ、一部大切な本や楽譜がダメージをうけたので少しだけ落ち込んでいました。

  

近くのおじいさんは、「わしゃ80年以上いきとっけど、一番すごかったちゃ」と言っていました。

さて、わたくし事ですが、テレビの部屋(居間)の(いまや)20年モノのAVアンプが壊れ、自分の部屋のオーディオアンプ(15年モノ)が相次いでこれわれ、そのまま数年買えずにおりました。買い換えたいのに他のものをクリックしてしまうため、いつまでたっても買えないのです。

音楽がヘッドフォンでしか聞けないことに、何故か急に我慢ならなくなってしまいました。(1)自分でなおしてみる(無謀)、部品が必要なら買う。(2)無理ならヤフオクかメルカリ!でおこづかいの範囲でなんとかする。の方針でいくことにしました。

 

デジタルアンプは自力修理無理?

昔の完全アナログアンプなら、テスターとプローブイヤホンだけでなんとか原因を特定して直せると思う(いろいいろ直した)のですが、デジタルアンプはまったくわかりません。わたくしの壊れた「メイン」アンプはKENWOODのR-K1000というピュア系(フル)デジタルアンプ!です。買った時点では、同一価格帯ではダントツの人気・評価でした。10年以上これで聴いていたので、耳がこれに慣れてしまい、(好み的に)この音を最高だと思うようになってしまいました。実際音はいいと思います。比較的大きな音で、多きめなスピーカを鳴らすと超絶です。(好みなだけですが)

アンプの不具合現象は

(1)電源を入れると10秒もたたないうちに(保護回路がはたらく感じで)電源が切れ、赤色パワーランプが点滅する。

(2)まれに数分切れなくても、入力信号をいれなくてもアナログ、デジタル(セレクタ)両方のノイズが酷い(音量ゼロにしても、酷いノイズ)

(3)デジタル入力信号をいれると音はノイズに埋もれがちなものの、「聞こえはする」ので、完全には逝っていない。

というものです。

記録

今後の自分のために試したことを記録します。

(A)コネクタを全部はずし、IPAイソプロピルアルコール)でコネクタ部、および基板部を丁寧に掃除(ほぼ洗浄に近い)再接続 ⇒ 音の出方が変わるが解決せず(電源投入後のノイズは逆にひどくなった。よりとがった感じ(高音が目立つ)のノイズになった)

(B)アナログ部の接続を外したりして、どの部分が原因ぽいか確認する⇒どうやらデジタル入力部が怪しい。出力(アナログパワー変換後ではない模様)特にDACチップ周りが怪しいが表面実装なので交換は難しい場所。

仮説

・R-K1000の故障パターンとして(ネット検索した範囲では)よくあるもののようなので、チップ劣化故障よりコンデンサ系の問題と思われる。(場合によっては局所的に発振しているくらいかも)

・チップの劣化故障の可能性も次に高い。

・よくあるコネクタ部の接触関連ではなさそう。

・パワー段に行く前から信号をとっている「ヘッドフォン」でも同様のノイズ状態だったので、問題の現象は入力部で発生している。

 

⇒入力部(特にDACまわり/音声デジタル処理部)のコンデンサ類の故障・劣化の可能性が高い

※ただし、公開されているダイアログブロックからすると、DACはヘッドフォン専用で、デジタル処理はいまやよくある1チップではなく、このあたりのよくわからない入力段回路すべてが音響用デジタル処理である可能性も高いです。(カタログや世間の評価からしてもそのような構造だとおもえてきた)

実測

表面実装なので、実装を外して測定するわけにもいかなので、そのままプローブをあてて計測します(かなりの誤差覚悟)。電解コンデンサが極端に劣化しているのは当たり前として、表面実装部品のコンデンサもかなり測定(LCR)した限りは酷い状態でした。どちらかといえば表面実装系の劣化のほうが酷い感じをうけました。(外せないので本当にそうかわからずですが、傾向はみてとれました)

⇒あまりにもひどいので、電解コンデンサーだけ交換してもだめな予感がする。

感想

直そうという気がなくなるくらいダメな感じがします。廃棄覚悟で禁断の「あれ」をやることにします。あれとは「阪神○○」のことではなく、破壊覚悟の一発気合い入れ:(個人的は「根性焼き」と呼んでいます。*1)のことで、電子基板を局所的に加熱します。昭和的45°ななめチョップに通じるものがあります(本当に直ることもあれば、余計壊れることもある)

・表面実装のコンデンサは加熱により「アンチエージング」することがある(オーディオでおなじみJEITAの資料)

(参考)https://www.jeita.or.jp/japanese/exhibit/2014/1117/pdf/capacitor.pdf

・熱破壊(こわれかけ)系の半導体は、ヒートショック(短時間だけ高熱にする)により現象が推移することがある(問題発生箇所が別へ移動するなど):これは経験

電子基板根性焼きしてみる

一番いいのは、遠赤外線で、加熱したくない箇所を非燃性のもの(浮かせたアルミホイルなど)でマスクして照射すればいいのですが、今回はそこまで問題箇所を特定できていないので、デジタル入力部全体を「ファンヒーターで」加熱することにします。

吹き出し口まじかにあてると、かなりの高温になります。金属「漏斗(じょうご)」をラジオペンチで挟んで当て、局所加熱をしたことがあります。絵的にはまったく様になりませんが、距離や角度をうまく調整すれば、「なかなかいける」方法です。すくなくともドライヤーよりは安定して加熱できます。※スポットヒーターは持っていません!

表面をさわりながら、できれば電解コンデンサは85°以上にならない感じ&表面実装は120°~150°くらいの加温がよいらしいが不明。ハンダがとけない範囲で数分加熱してまずは様子をみてみます。(電解コンデンサ的は(モノによりますが、)85°は一応の動作範囲内なので。。。)

あれ?動いた

現象がでなくなり、きれいな音がでます。とても良い音であれほど酷かったノイズがまったくありません。電源も落ちません。熱風当て1回で直った?ようです。

ダメならしつこくやる(熱風当て複数回&リフローハンダ溶けない程度にコテで直接表面実装コンデンサを加温)ところですが、うまくいってしまったので、これで完了です。(結果オーライ:現象が変化することは多々ありますが、普通は直るまで行きません)

音比較用の台所アンプよりも格段に音がよいです。同じスピーカで切り替えながら聞くと、アンプでかなり音が違うことがわかります。(わたくしでもはっきりわかるくらいです)たぶん経年変化でコンデンサめちゃくちゃ(特にESR値が酷い)のせいかもですが、まるで「真空管アンプ」的なウォームな音です。(すなわち原音忠実ではまったくない!&保護回路が動作する(付近)くらいなので、少なくとも当初設計範囲の動作ではなさそう。)デジタルアンプにあるまじき音な気がしますがめちゃ好みです。今あるトランジスタor デジタル アンプを買っても、きっとこんな音はしません。

「好み」的にはこのアンプが私を10年かけて「補正学習」させた結果だと思います。

問題現象がでたら、根性焼きをし直して「一生モノ」として現役で使います!

※(追記)決して直ったわけではなく、たまたま状態が少しかわったので現象がでなかっただけと考えます。この手のこと(アンチエージングして一瞬若くなっても、時間は残酷でエージングは進む)は、経験上また現象が発生します。コンデンサ系の値劣化の可能性がとても高いと考えます。当面は使用できそうですが、ゆくゆくはデジタル入力ブロックの交換可能な「電解コンデンサ」を換える方向で考えます。

ご注意

この方法(電子基板根性焼き)は「エンジニアにあるまじき行為」で「トータル」としては根拠も安全性もありません。ですが状況が変化することが本当にあるので、個人的に行ってみることがあります。

あくまで、「ダメ元」な方法です。場合によっては内部ショート・完全破壊をさせてしまう危険な方法かもしれないので、行う場合はご自身の判断で安全確保のもとお願いします。

 

AVアンプ修理もがんばります

最近電子工作系の趣味が復活?しており、ミニ基板系で遊んでいます。先月手にはいらなかったM5Stick Plus2もようやく入手できました!

国内販売店に在庫がなく中国?から(箱に外国の流通シールがはってあり、船便で2週間程度?)買った結構高めの「大容量電解コンデンサー」がNichikon製だったので、驚いています。

製品自体のオークションは「はずれ」もありますが、「結局部品代より安いこともままある」ので視野にいれます。数年ぶりに個人的オークション熱が出ています。

遊びます。そしてアンプ直します!

(修理系Youtube)

感想:いかにも怪しげな電解コンデンサの性能(LCR)測定しないんだ。。。

余談ですが、10年で「本当に」壊れる外国製のコンデンサをつかった製品が寿命で回転がはやく、10年ではまず死なない日本製のコンデンサをつかった製品の寿命がとてつもなくながく、回転しない(死なないので新しいのが売れない)感じです。老人ばかりの日本の縮図的でもあります。

※接点不良とソルダークラック確認はわかりやすいとして、個人的にあとは基盤洗浄(目に見えにくいい不純物除去によるリーク減少)と「(表面実装部品を含めてコンデンサー系の修理(交換)をどこまでできるか?」がポイントだと思っています。新しい系(分散電源回路なの?)の基盤はほんとわかりません。。。基板ポン交換が基本になってしまうのはよくわかります。

まじで、各個別の修理実例から一般的な(かつコアな)修理の基本・応用を学べます。ありがたいです。

余談(追記)

どうせなら新しアンプ買ったほうがよくない?とも思い、「フルデジタルアンプで出力が40W+40W以上でピュア系列のもの」を探しましたが、絶滅危惧種のようです。パワーアンプ部は結局アナログ系のものはたくさんあるのですが、出力段直前までフルデジタルでパワーのあるアンプはKENWOODですら後継機種がありません。よっぽど製品として「味のある音」への「調整が」難しいか、3Dテレビのように技術的には超絶すごいのに世の中にうけいれられなかった速すぎた製品なのかもしれません。

となれば、断然安定復活させたくなるのが人情というもの。ファンは多そうで、オークションでは人気があるようです。

*1:魔法の呪文(プロンプト)は「おらおら、根性みせいやぁ」です。熱風を当てながら3回程度気合いを入れて詠唱します。本当に効果がありますので、是非お試しください。あらゆる1発勝負に掛け声(もしくはキメセリフ詠唱)は効果あります!